見つけた土地に家は建てられる?敷地調査(役所調査)ってなにをしているの?

家を建てようと思って土地を見つけたら、まずそこが家を建てることが出来る土地か、どのような規制があるのか、特別な費用がかからないのかを調べます。工務店や設計事務所がする敷地調査についてざっくりまとめてみました。

役所調査とは

まず役所調査とは、敷地調査のうちの1つで、見つけた土地に設定されている法制限について調べることです。敷地調査の内容は主に「役所調査」「測量調査」「地盤調査」の3つに分類されますので、その第1段階です。

法務局

その土地の地目、敷地の面積権利者などを調べます。

登記簿謄本または登記簿要約書というものを取得し、地目と敷地面積を調べます。大きい問題があるとすると地目が農地(畑または田)の場合で、農地転用という手続きをしないと、家を建てることが出来ません。

都市計画区域の市街化区域であれば、届出だけで農地転用が出来ますが、それ以外の農地転用は農業委員会の許可が必要で、一定の条件を満たさない限り許可されません。農地であった場合、許可が下りるまで数ヶ月かかることになりますので、計画に大きな影響があります。

また、地積測量図、なければ公図という公的な図面を取得します。これにより敷地の形と面積が分かりますので、設計を始める上で必ず要る情報です。

隣接する土地が空き地の場合、その所有者も調べて、トラブルの可能性がないかも調査します。土地が決まりそうであれば、出向いて挨拶に行き、難しいことを言われたり、また今後高い建物建てる可能性がないか、探りに行くことが多いです。

情報を見るだけであれば、インターネット経由でも取得可能です。このサイトの一時利用からPDFをダウンロードことが出来ます。クレジットカード決済で手数料がかかりますが、法務局に足を運ばなくてもよいのはメリットです。

※ただし、ダウンロードしたPDFは公的書類ではなく、あくまで閲覧と同じ扱いです。

市役所建築課

土地の法規制を調査します。まずは建ぺい率や容積率といった、敷地のうちどれぐらいの面積に建築して良いか、どれぐらいの延床の建物を作って良いか、ということが分かります。

これを超える建物は違法になってしまいますので、特に市街地では重要な情報です。

また、隣地の日照を遮らないための斜線制限、建物の高さ制限は屋根の形状に影響しますし、防火指定は内外装の仕上に影響するので、注意が必要です。

また、掘り返して文化財が発見されると、そもそも工事が出来なくなることがあるので、近隣の土地でそのような事例がないかも聞いておきます。

市役所下水道課/水道局

敷地内に下水道の敷設があるかどうか、無ければどのような経路で接続が可能か調べます。敷地内に下水道がなければ、接続工事で100万以上かかることもあるので、きちんと確認しておく必要があるでしょう。

また、本管接続工事は思いのほか混み合っており数ヶ月待ちというケースもありました。上水との接続と合わせて、設備業者と相談するのが良いでしょう。

同じように水道局でも上水道が通っているか、通っていなければ、どのような経路で接続できるか調査します。

不動産屋

売主はどういった意向でその土地を手放したいのか、これまでに買付が入った例があるのか、元々建物は建っていたか、価格の交渉は可能かなど、売主側の情報について聞き込みをします。役所調査で敷地に追加でお金がかかる場合、それを理由に価格の交渉を行うこともあります。

土地家屋調査士

登記の際にお世話になるので、挨拶をしておきます。また広い敷地であれば、分割して売却する相談などもすることがあります。

電力会社

まれに敷地の前に電柱が立っていることがあります。そこしか入り口がなく、明らかに出入りの障害になる場合は、移設の相談をすることがあります。通常県道や国道との隣接になので、県や国交省と協議の上で、移設の検討をして貰います。

県土整備事務所

敷地に隣接する道路からの進入口を付けるにあたり問題が無いか、また街路樹が出入りを障害になる際に移設の相談をします。

そのほか

擁壁がや造成が必要だったりするかどうかは現地で確認します。また、特に冬場の日照や近隣の雰囲気なども知ることができるので、何度か敷地の周辺を歩いて見ることが多いです。

しようと思えば、自分でも出来ます

結構色々なことを調べていますが、別に専門業者でなくても出来ることばかりです。行政に聞きに行っても、基本的に拒絶されることはありません。

ただし、工務店や設計事務所は必要な情報を聞き出す勘所があると思いますし、その後の設計や見積に関わる部分ですので、任せる方が良いと思います。

ただし、家に対して主体的に関わることは悪いことではないと僕は思っています。また、土地を探していて、まだ工務店は決まっていなかったりする場合は、自分である程度当たりを付けるのはありかもしれませんね。

この記事を書いた人

田上知明

AFP・2級FP技能士 / 2級建築施工管理技士 / 省エネ建築診断士
東京で3年間の会社員勤務の後、自分の家を自力で建てることを志して、建築業界へ。自分の家を建てるはずが、お客さんの家ばかりを建て続けて、結局そのまま大工をするようにになってしまい、結婚を機に鳥取の智頭町へ移住。
美しい田舎で建てたり狩ったりしながら、ぼちぼち暮らしたいと思っていたが、意外と忙しいのと、自分の家がまだ建てられていないことが目下の悩み。