愛媛県松山市で超オススメの工務店「アーキテクト工房Pure」で断熱気密の研修をしてきた

 
 
以下の文章は、2019年1月のブログ記事のリライトです。ここから始まった感じなので懐かしいです。おかげさまで、平均C値0.1cm2/m2が出せるようになり、コンスタントに受注がいただけるようになりました。
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愛媛県松山市にあるアーキテクト工房Pureの高岡社長に無理を言い、一緒に仕事をしている大工さんと、鳥取から松山まで気密施工の研修をさせてもらいに行ってきました。実際にハイレベルな仕事をする工務店の現場で学ぶのは、大変勉強になります。

家の快適さの元、断熱・気密は施工能力で変わる

快適な家のためには、当然暖かくするための設計は必須なのですが、これは施工能力で変わります。断熱材の入れ方一つ、理屈への理解一つで、同じ費用でも大きく性能が変わってくると断言できます。
施工している身からすると、最後まで見える仕上の部分にこだわれても、隠れる部分については、どうしても気が緩みがち。
アーキテクト工房Pureは、きちっとした仕事に執念のある工務店で、これまで数々の高性能な家を建ています。また、デザインだけでなく光熱費や使う材料の環境負荷、人体への影響も考えて選ばれています。なので、是非大工さんと一緒にみっちり現場仕事の研修させて貰いたいと密かに狙っていました。勉強会の後の懇親会で社長の高岡さんにお願いして、受け入れて貰ったわけです。

専属の優秀な断熱気密施工スタッフを擁している

松山にて実際の現場で、可変調湿気密シートの施工をさせていただいたのですが、現場では専属の社員である寺園さん親子にお世話になりました。大工ではなく、見えない重要な部分だけを担当する断熱気密施工専任のスタッフです。大工すら外注で、実際は監督がいるだけという工務店がほとんどであるなか、専任の施工スタッフを擁していることはとても珍しいと思います。
寺園さん親子は極めて丁寧で、こだわりを持ってやられていました。隠れてしまう地味な仕事ですので、誰に目立って評価されなくてもきちんとやるというのは、性格的に向き不向きがあると思うのですが、抜群に向かれている方だと感じます。高岡さんの信頼も厚いようです。
お恥ずかしながら、少し前の僕も含めて、施工側の人間が重要な理屈をきちっと理解し、かつ丁寧に仕上げていることは、決して多くありません。施工する身としても、身が引き締まる思いでした。
 

そもそも気密性能を追い込むことの意味

実は断熱性能を追いかける上で、一定以下のC値であれば熱損失には大きく影響しません。ただし、換気の能力には影響します。環境負荷が低く、光熱費がかからない家づくりを志向したときに、第一種換気と高気密化には必ず行き着きますから、C値もできるだけ小さい方が良いのです。
また、壁内に水蒸気が入り込むリスクが少なくなり、躯体や断熱性能の劣化することを防ぐことにも繋がります。
アーキテクト工房Pureは、仮に侵入したとしても外部に排出できるような透湿抵抗の低い材料で壁をつくっていましたし、断熱材も水分によって性能が低下しにくいロックウールやウッドファイバー選んでいましたが、冬場の部屋の暖かい(かつ、湿った)空気は、極力壁内に流れ込まない方が、家が長持ちするのは間違いありません。

気密施工に自信を持つことができました

同業者で遠方である鳥取の僕に技術を伝授しても、何の得にもなりません。同じフランチャイズに属している訳でもなく、研修事業をされているわけでもありません。
ただ、環境負荷が少なく、快適に暮らせる家が増えて欲しいという高岡さんの男気で2日間時間を割いて頂き、パッシブハウス認定物件であるご自宅までご案内頂きました。
おかげさまで、大工共々気密施工に自信を持つことができました。全国でもデザイン・性能・家に対する哲学で先頭を切られている工務店ですので、背中を追いかけるばかりですが、鳥取県/岡山県で良い家を増やすことが恩返しになるでしょうか。
http://www.studiopure.jp/

2019年2月9日追記:気密測定結果 C値0.099

その後、気密測定が実施され、110PaでC値0.099、N値1.07だったとのご連絡を高岡さんより頂きました。足を引っ張る結果にならず、ほっと一息です。