パッシブハウスとは、独パッシブハウス研究所の定める基準を満たした住宅のことです。少ないエネルギーで健康且つ快適に暮らせる家の性能(年間暖房需要15kwh/㎡以下、1次エネルギー消費量が120kwh/㎡以下、概ねC値0.2cm2/m2以下)を規定しており、基準を満たすためには、高い断熱性能と日射エネルギーの有効な利用が必要です。
パッシブハウスはエネルギー建物の温熱性能の最適解です。従って、これ以上を目指して性能競争が起きることはありません。暖房需要削減を目指して、さらに断熱を強化し日射取得をすれば、日中の室温が高くなりすぎ、また夏季の冷房需要が上昇するため、よりエネルギーが必要な家になってしまいます。
もちろんすべての基準がそうであるように、認定物件の中にも温熱環境の優劣はありますし、当然天候(特に日照)の影響も大いに受けます。ただ、パッシブハウスのメゾットに沿って家を建てることは、住環境を考える上で間違いではないと弊社は考えています。
鳥取県、岡山県北部におけるパッシブハウス
建物の形状などにもよりますが、鳥取県、岡山県北部においては概ね高性能グラスウール16K換算で天井600mm、壁300mm程度の断熱が必要です。窓は樹脂か木製のトリプルガラスを使用します(Q値換算で0.7w/m2K以下、Ua値換算で0.2w/m2K以下程度)。中国地方には2022年末現在5件の認定、3棟が認定待ちとなっています。
パッシブハウス建設に必要なコスト
具体的には、弊社の標準仕様+窓と断熱強化となりますので、最低でも32坪で3800万~程度を見ていただければと思います。土地条件などによって異なります。南面の日照確保は必須ですので、建てることが出来ない土地もございます。どうしてもご希望であれば、土地を取得される前に1度ご相談ください。
現在弊社事務所をパッシブハウス認定審査中です。外気が氷点下の冬の間でも日照のみで室温は25度を超え、大変快適に仕事をしております。体感されたい方はご連絡ください。
よくあるご質問
- パッシブハウス認定はコスパがよいですか?
-
電力単価にもよりますが、単純に温熱性能への投資に対して光熱費で回収する、というのはある程度の性能以上は僕は難しいと考えています。すべての物事がそうであるように、温熱性能も限界効用が逓減していきます。無断熱の建物を100mmのネオマフォーム覆えばとてつもなく快適になりますが、その倍以上のコストを掛けて200mmにしたところで、暖房需要の減少も、体感上の変化もゆるやかです。
また、生活スタイル、体感、天候、気温など変数が不確定であるため、ある程度の仮定を置いて議論する必要がありますが、住むのは個別の人間ですので、あまり意味があると思えません。工務店である弊社としては、お客様とよく話して、ということになると思います。
- 分母が面積であることから、大きい建物で有利なのですか
-
そのとおりで、小さい戸建ては相対的に不利です(でも総消費は少ないからそれはそれでエコですよね)。
僕の理解では、パッシブハウスの最大の利点は、換気という「弱い風量」で熱を配っても建物の中の温熱環境が均一にできることであり、結果空調計画と換気計画を個別に建てずともよくなり、設備投資も下がるというのが最大のメリットだと思います。
そのため、本来大規模な公共施設や、集合住宅等より大きな建物で真価を発揮する概念だと考えています。弊社は大きな建物をする設計事務所ではないので、大規模なパッシブハウスにはそれなりの苦労があると推察はしますが。
- 実際に(事務所に)住んでみて率直にどうですか
-
非常に快適で、電気代を懸念する必要がありません。真冬で外気が氷点下であっても、日照さえあれば室温が上昇するのはとても頼もしいと感じます。吹雪だろうが寒波だろうが室温が急激に下がることもありません。室内すべての箇所で温度ムラがなく、一年中半袖短パンで過ごすことができます。ただし、うまく日射遮蔽をしないと、室温が上がりすぎ暑いです。
- パッシブハウスの認定には積極的ではないのですか
-
可能であれば、全棟で達成したいと思っていますが、超積極的には勧めておりません。
弊社商圏で認定を目指すと、付加断熱も1重で済まないことが多く、日射遮蔽に電動ブラインドなども必要で、最後の1割を削るために施工費が嵩みがちです。(※ただし、30kwh/m2a以下のパッシブハウスに準ずる性能は守ります。)
弊社は工務店で個人を相手にしていますので、有限の予算において、耐久性や構造、可変性といった部分にも目を配る必要があり、PHにする前に優先すべきことがあるケースも多々あります。まして人生全体からすれば、建物など一部に過ぎず、人間関係、趣味、仕事等他にも時間とコストを掛けるべきことがあるのだと思います。
優先すべきはお客様個別の人生と、関係者および地域にたいして良好な関係を築くことであり、認定がそれに資すると思えれば目指します。
そもそも、会社として認定物件を建てて「箔をつけたい」という方向にはならないよう注意したいと思います。

