蓄電池は備えるべきか

元々FITで太陽光が買い取られている間は合理性が無いという立場でしたが、蓄電池自体をメーカーから直仕入れすることにより金額が下がったため、20年ぐらいで恐らく元はなんとか取れそうだ、という程度にはなりました。

太陽光ほど積極的に勧めてはいませんが、新築時であれば同時に導入ができるので、ご相談には応じます(5kwのタイプで太陽光システムに加えて+60万円、10kwで+100万ほどです)。

目次

固定価格で買電されているうちは大きな効果がない

太陽光パネルは電気自体を生みますが、蓄電池には太陽光で発電した余剰電力を貯めて、夜間にずらす効果しかありません。つまり、得られる利益は、
夜間電力購入価格-FITの売電価格の差額、かつ蓄電池の容量分
程度です。

つまり、FITの売電価格がkwhあたり16円で夜間電力の購入価格が36円とすれば、差は20円。
5kwの蓄電池であれば、単純に計算すると最大で一日100円の効果です。 (午前中晴れたあと曇って蓄電池の電力を消費し、その後また晴れて蓄電できたので、夜もう一度使う、みたいなケースだともう少し増えるかもしれませんが)

仮に一年の半分太陽光発電で蓄電できたとして、年間180日*100円で18000円程度の削減効果です。電気代の上昇は可能性がありますので、もう少し好意的に評価してもよいとは思いますが、恐らく10年で元が取れるかと言うと難しいかもしれないなと思います。ただし、電気料金は上昇することが予想されること+卒FIT後があることから、20年ぐらいあれば帳尻は合いそうです。

災害目的はあてにならなそう

災害目的というのは、耳障りの良い言葉ですが、

  • 災害で蓄電池システムが被害を受けていない(浸水等)
  • 電力さえ動いていれば生活できる程度に他のインフラが生きている

という条件を満していれば、発災時に電気が復旧するまでの間、自分の家だけは電気が使えるという感じです。

道路や上下水道など他のインフラが破損していれば電力が無事でも避難になりますし、そもそも蓄電池がなかったとしても、発電中であれば1.5kwまでの太陽光発電の直接利用は可能です。自宅が近隣の家にとって避難拠点にはなると思いますが、災害対策というのも少し弱い気がします。

それでもあると幸せかもしれない

とはいっても、太陽光発電中にエアコンを付けたり、洗濯機を回したりできるのは、金額以上に気が楽というのはあります。もし、蓄電池があれば、発電していない夜も無料の電力が使えるわけで、その点は魅力的です。

新築時であれば、パワコンも当初から蓄電池対応のものを手配することができるのと、太陽光パネルに割引がかかるので、少しだけあとから気が向いて導入するよりは安上がりです。経済的なメリットだけを考えるのなら、固定価格買取制度が終わり、かつパワコンが壊れた時かなと思いますが、仕入れ単価が下がったので入れたいという希望に「絶対元が取れないので反対」ということはなくなりました。

目次