中東情勢から受ける影響と対応について 4/13

弊社としては、値上がりと出荷遅延相応程度はあるものの、材料が枯渇し、建たなくなることまでは行かないのではないかというのを4/7時点の1報より、メインシナリオとしています。
化学系商社の知人や各メーカーの発表を見る限り、コロナ時に枯渇した教訓から、早期にアラートはだしているものの、あくまで予防的なメッセージの発出と見ます。ただし、初夏以降おおよそ建物1棟に対して、5%~10%程度の値上げはあり得るものと見ています。

弊社の対応

汎用性があり長期保存が可能な資材については先行発注を進めています。特に樹脂系断熱材については、3月中に設計中の方の分も含めて発注対応済です。さらに追加倉庫の確保も調整しています。

着工している方については、資材は手当済みですので、ほぼ影響はありません。一部住設などは出荷制限などかかった場合は、ご相談させて頂く可能性がありますが、工事への影響は限定的と思います。

設計中の方については、見通しが立つ範囲で事前にお伝えするようにしています。また、上記先行発注でも確保しきれない設備や運賃増等の分について、おおよそ4%の予備費を計上させていただきます。こちらは使用しない場合はお返しいたします。

また、契約前のお客様については、資金計画が変わりますので、中断することも含めてご案内いたします。

施主さんができそうなこと

着工済の場合は資材確保はほぼ終わっています。一部住設で遅延した場合ご相談の可能性がありますが、コスト面などの影響は受けない見込みです。
設計中の場合は、申し訳ありません、4%程度予備費を計上させていただきます。少し抑えめなプランにするか、今が一番安いとして、そのまま踏み切るか、ということになると思います。
ただし、拙速に進めたところで弊社を含めた工務店側も完全に見通せているわけではありません。不安に思うのであれば、留まったほうがいいと思います。資金計画に応じて、個別対応させていただきます。

また、金利は上がってしまいましたが、僕はこれまで一貫して固定推奨で、上がったとしてもなお固定だと思っています。実行時ではなく申込時に金利が固定される銀行であれば、早めに金利を確定させておく、というのが有効でしょう。

「じゃあ待ったほうがいいのか」

正直なところ「待って安くなる見込みがあるか」というと、かなり厳しいという見方をしています。

仮に停戦が実現しても、すでに中東の石油施設はかなりの損傷を受けており、生産の回復には数ヶ月かかるとみられています。資材メーカーが一度上げた価格を自発的に下げることもほとんどありません。人件費は構造的に上がり続けます。 2021年以降、ずっと「もう少し待てば下がるのでは」という期待がありましたが、急騰した木材系の単価が若干下がった程度で、総工費自体は下がっていません。

正直あまりできることもないし、いいニュースでもないのですが、引き続き状況を注視しつつ、できる限りの対応に努めていきます。
※本記事は2026年4月13日時点の情報に基づいています。情勢は日々変化しているため、最新の報道もあわせてご確認ください。

目次

各メーカーの値上げ通知状況(4/13)

公開で判明している分で以下のとおりです。また流通を通じて我々業者向けには通知が来ており、以下に加えて20社以上の連絡を受け取っています。

会社名確認先主な内容値上げ幅
アイカ工業公式サイト供給影響・価格等調整個別対応(非公表)
コニシ公式サイト供給影響・出荷制限の可能性記載なし
日本住環境公式サイト供給影響+価格改定詳細未取得
JSP業界メディアミラフォーム値上げ40%
KAMIYA公式サイト一時生産停止・納期影響
アキレス公式サイト供給対応+価格改訂詳細未取得
旭化成建材公式サイト(PDF)ネオマフォーム等値上げ・一部生産停止10〜15%
旭ファイバーグラス公式サイト供給制限・受注見合わせ+リッジウェイ値上げ30%(リッジウェイ)
カネカ公式サイトカネライトフォーム値上げ40%
デュポン・スタイロ公式サイト(PDF)スタイロフォーム等値上げ40%
フクビ化学工業公式サイト全製品供給制限+価格改定非開示
マグ・イゾベール公式サイトグラスウール全製品価格改定+出荷制限25%~
日本ペイント報道(Yahoo!)シンナー類値上げ50%~75%
田島ルーフィング公式サイト新規受注停止
TOTO公式サイトシステムバス出荷停止
LIXIL公式サイト遅延、制限の可能性
タカラスタンダード公式サイト(PDF)遅延、制限の可能性

高えよ!と思うんですが、ナフサのスポット価格が1か月で2倍なので、やむを得ないところかなのかもしれません。。。

Tradingeconomicswebサイトより引用

今回の影響の経路

原油の値上がりが住宅の価格に波及する経路は、おおまかに3つです。

まず、石油が原料の建材が値上がりします。 たとえば、水道の配管に使う塩化ビニール管、サッシや防水シートの一部、断熱材(発泡ウレタン系)、塗料、接着剤。これらは原油から作られるナフサ/エチレンという物質が原料です。
信越化学工業が塩ビ樹脂の4月からの値上げを発表済みで、住宅設備大手のLIXILもサッシやドア、水回り設備などで2026年4月発注分から値上げを予定しています。 大同特殊鋼もステンレス棒鋼と特殊鋼鋼材の値上げを発表しました。

次に、電気代が上がることで、工場で作る資材も上がります。 ガラス、セメント、鉄、アルミといった資材は、製造に大量の電気を使います。原油が30%上がると電気料金は約6%上がるという試算があります、現時点で原油は攻撃前から7割近く上がっていますので、この試算よりさらに大きな影響になる可能性があります。これらは半年ぐらいかけてじわじわと資材の値段に反映されていきます。

そして、運賃が上がります。 ガソリン代が上がれば、資材を現場まで運ぶトラックの配送費も上がります。弊社のように地方で仕事をしていると、資材の配送距離が長くなることも多く、この影響は地味に大きいです。

さらに、金利の上昇も効いてきます。 長期金利が27年ぶりの高水準(2.425%)になっているということは、住宅ローンの固定金利にも影響します。フラット35の金利は長期金利に連動するため、日銀の政策金利改定でさらに上がる方向です。建築費だけでなく、借入コストの面からも負担が増える構造になっています。

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