付け巾木と入り巾木どちらがよいか

床と壁の境目に取り付けられる巾木は、住宅においても目立たないですが欠かせない部材の一つです。今回は、一般的な「つけ巾木」と洗練された印象を与える「入り巾木」について、それぞれの特徴を説明します。

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巾木の基本的な役割

巾木(はばき)には、床と壁を見切りとしていれることで施工をしやすくする、また掃除機をかける際などの物理的な衝撃や汚損から壁を保護する役割があります。特にルンバのような自動掃除機は割とゴリゴリ壁際を通っていくことがあるので、やはり必要と思います。3cm程度あると、壁に当たることはないでしょう。

つけ巾木と入り巾木の特徴

出巾木とも呼ばれるつけ巾木は、最も一般的な巾木の形式です。壁面から巾木が出っ張る形で設置されるため、施工が比較的容易で、コストも抑えられます。塩ビやMDFもありますが、弊社は通常、杉の高さ3cmの巾木を使っています。だいたい壁際から7.5mmほど出っ張りますが、交換も容易であるため標準採用しています。

弊社事務所の付け巾木

一方で、入り巾木は、壁面より内側に引っ込んで設置される洗練されたデザインの巾木です。壁の中に収めるような形で設置されるため、すっきりとした印象を与えることができます。巾木が出っ張らないため、ホコリが溜まりにくく、意匠に優れますが、交換ができないことと、自動掃除機からのダメージを回避しようとすると、3cmは欲しいので、あまり使っていません。

森田アルミ工業様 fitbaseより引用

なお、事務所で実験的に巾木なし納めをしてみましたが、2年ほど経ち、自動掃除機のあとがうっすら付いています。

うっすら黒い跡が自動掃除機のタックルの痕

選び方のポイント

標準仕様は、摩耗しても下地が見えないことと、無垢を貼ることが多いので、合わせて無垢の付け巾木を採用しています。通常素地ですが、床の色が濃ければオイルステインなどで塗装します。また、入巾木がお好みであれば、追加で対応いたします。まあ簡単に交換ができないと行っても、そもそも交換しないいままで変えたこともないという、長年経営されている工務店の意見もあります。いずれにしても、手動掃除機以上に自動掃除機が壁際にケースが多いので、その対策というのが一番大事かな、と思っています。

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