無垢床暮らしは意外と簡単!お手軽日々のメンテナンス

私は建築系の学校を卒業した後、林産地に住みたくて山の中へ移住してきました。当時勤めた会社が、国産のすぎ材ひのき材を製材(丸太から板へ加工すること)して商品をつくるところで、そこで無垢床で暮らす機会をいただきました。

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無垢床はメンテナンスが大変?

製材所に勤めるまで『無垢の床』で暮らしたことがなかったわたし。入社してからまず一般的な床と無垢の床との違いから知ることになりました。柔らかいと聞いていた針葉樹は、傷がつきやすいのか、汚れやすいのか、どきどきしながら無垢床での生活がスタート。

そして、おおざっぱなわたしでも、今では自宅にも無垢床を採用しました。無垢床は実は意外とお手軽なメンテナンスで暮らせるのでおすすめ。無垢床と暮らすのに知っておくと安心な、いつものお手入れを紹介します。

紹介するメンテナンスは、塗装なしの無垢の床を想定しています。

初めてひのきの床と暮らす

初めての無垢床暮らしを始めた賃貸の部屋、タイル状の床を並べています

初めて暮らした無垢の床は、ひのき材の床。ひのきは建築に使われる樹種のなかでは柔らかい針葉樹ですが、暮らしてみると、夏は素足で歩いてもべたべたせずさらさら!冬も冷たくなりすぎず床座で過ごしても少し温かい!この経験から、今では無垢床をおすすめするほど「無垢床好き」になって、手放せない存在となっています。

自宅改修の時はさらに柔らかい杉材を

結婚して智頭町に移り住んでからの自宅には、すぎ材のフローリングを寝室に採用しました。智頭町は杉の産地で、すぎ材はひのき材と同じ針葉樹。フローリングは簡単には張り替えられるものではないですが、「少し傷つきやすいのは自然のものだし、逆に人に傷がつかないということ」、そして、ひのきに比べて温かみがあることも魅力です。先日も寒い日に知人が来て、「床が冷たくない!」と何度も言っていました。

床も壁も天井もすぎ材、赤茶色っぽいのが特徴。

いまの家では寝室のほか、廊下や洗面所、トイレ、キッチンといった水回りの床にも無垢材を使っています。水回りにはすぎ材よりも油分が多く水に強いひのき材を使うようにしました。トイレの床以外は、塗装をしていない無塗装で暮らしています。

お客さんをお出迎えする玄関の床には明るいひのき材を

普段の掃除は掃除機で

無垢床と暮らす前は「掃除機を使ったら傷がつくのかも・・・?」と思っていましたが、恐る恐るかけてみると床に傷がつくことはなく、一般的な床と同じように掃除機をかけることができます。

気になるの無垢床のお手入れ、シミにはお酢

でも普段の生活でやっぱり水のシミや汚れがついてしまうことがあります。そのときに必要なものは「お酢」!わたしはすぎ材とひのき材にしか使ったことはありませんが、広葉樹にも使えるようです。水拭きで落とせなかった汚れも、お酢と水を1:1で混ぜて、ぞうきんにしみこませて拭けば割とシミを落とすことができます。

へこみや傷にはアイロン

また傷がついてしまった場合には、アイロン+タオル+水を準備します。乾いたタオルを当ててスチーム+アイロンで気にならないくらいに床を回復させることができます。

この写真も床が痛々しいことになってしまいました。杉よりは硬めのひのきでも傷はついてしまいます。お子さんのおられる家庭では、おもちゃや家具の跡がつくことが多いかも知れません。

最終手段は紙やすりで削ることも

どうしても落ちない汚れは、最終手段として紙やすりで削ると元通りという方法もあります。紙やすりはホームセンターやセリアやダイソーなどの100円ショップで1枚から売っています。

また、床を削った場合、蜜蝋ワックスや植物油などの油分で拭き上げると汚れにくくなりますよ。

一般的な合板フローリングだと痛むと表面が剥がれて下地材が出てきてしまいますが、1枚板の無垢フローリングは表面を削ることができます。

まとめ

初めての無垢床での暮らしは少し心配しながらのスタートでしたが、暮らし始めてみるとその気持ちよさにもう一般の合板フローリングには戻れないなあと思っています。日々のお手入れには掃除機も使えるし、お酢やアイロンといった家にあるものでメンテナンスが出来るので意外とお手軽に暮らせています。

紙やすりで削る方法も紹介しましたが、実は削った部分だけ日焼けの具合が変わってしまいます。なので、わが家では落ちない汚れや傷はあんまり気にしないことにしました。そのうち数年数十年もすれば、日焼けや使用感が進んでいくしね~、なんて思いながら暮らしています。

新築や改修、リノベーションの際には、無垢の床をオススメします。クッションフロアや合板のフローリングとくらべて、傷や汚れがつきやすいかもしれませんが、それ以上に使い捨てではなく、経年美化することでで味がでてくるのは大きな魅力だと考えています。

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