わたしたちが使いたい素材、使いたくない素材

折角家を作るのであれば、製造に使うエネルギーや廃棄時のコストについても、配慮に入れてつくりたいと考えています。可能であれば、製造時の消費エネルギーが少ないものを選び、また廃棄時にも問題が少ないものを選んでいきます。

わたしたちがオススメする素材

◎無垢材

主要構造部に用いるほか、床、天井、壁面に超積極的に推奨します。智頭町で生産できる製品であり、輸送のためのエネルギーもかからず、経年で美しくなり、調湿効果もある優秀な材料です。

◎構造用スターウッド/ノダハイベストウッド

耐力壁として用います。靱性(しなり)があり、繰り返しの地震でも効果が期待できること、透湿抵抗値が低く、湿気を通しやすいこと、軽量で水に強いことから第一選択としています。

○モイス

耐力壁の他、内装用に用います。不燃材であることから、防火地域である場合に第一選択としています。吸湿性能が高く、結露の抑制に効果があると考えています。また肥料の認定も取っていることから、廃棄時に環境を汚染するリスクが少ないことも魅力です。

◎ロックウール

生産時の一次エネルギー消費量が少なく、グラスウールと比較して耐水性があり、コストが安く原料も再生品であることから、断熱材の中では優れた材料だと考えています。

◎ウッドファイバー

生産時のエネルギー消費量がとても高いことがネックですが、自然由来であり吸湿性能も高いことから、ロックウール同様候補としています。施工のときにちょっと粉まみれになるのがネックです。

○セルロースファイバー

コストが非常に高いですが、吸湿性能、特に遮音性能に優れています。壁内に吹き込むため、付加断熱と合わせて使います。

わたしたちが使わない/使いたくない素材

△パインフローリング

智頭町産の杉でもさほど値段が変わりませんので、わざわざ石油使ってまで海外の材料を運んでくる必要はないと考えています。桧をはじめとする他の国産フローリングも手配できますので、一度提案させてください。

×石膏ボード(2019.4.28△→×)

極力避けると表記していましたが、代替品があるとし、完全に不採用とすることにしました。

石膏ボードは極めて優れた素材です。価格が安く、防音性、不燃性、断熱性に優れます。クロスの下地にも、漆喰や珪藻土の下地にもなります。そのため、遍く日本中で普及しています。

一方で、問題は廃棄時です。条件が整うと土中の菌と反応して硫化水素を出す可能性があるため、通常の廃棄物のように埋め立て処理ができません。 平成11年には福岡県筑紫野市の安定型最終処分場で、実際に作業員3名の死者もでています。 そのため、他の廃棄物とは区分した特殊な埋め立て処分が必要で、購入する価格と同じ以上の処分費がかかります。

代替品にはエコカラット、バウビオ調湿T、内装用モイス、木ずり+左官仕上げ、無垢板、Mクロス(紙付の針葉樹合板)などを用います。

×窯業系サイディング

使用しません。新築時の初期コストは安いものの、将来廃棄物として埋め立てしかできず、また経年で劣化していき、美しくありません。10年から15年に1度、 性能を維持するために目地のコーキングと塗装が必要になるので、メンテナンスコストがかかるのも難点です。無垢材、ガルバリウム鋼板、白州壁等の左官仕上げを標準採用しています。

×ビニールクロス

使用しません。柄も豊富で価格も安く、非常に便利な素材です。しかしながら経年で変化というより劣化し、見栄えが悪くなっていくこと、調湿性がないことから、弊社の考えに適していません。布クロスまたは塗装用の紙クロス、和紙などを用います。

×吹きつけウレタン断熱

使用しません。気密・断熱をとる上で優れた工法ですが、解体時に猛烈なゴミが出るほか、ウレタンが木材にこびりつくので、分別が困難です。配管貫通部の気密にスプレータイプのものを部分的に利用はしますが、主たる断熱材として施工することはありません。

この記事を書いた人

田上知明

AFP・2級FP技能士 / 2級建築施工管理技士 / 省エネ建築診断士
東京で3年間の会社員勤務の後、自分の家を自力で建てることを志して、建築業界へ。自分の家を建てるはずが、お客さんの家ばかりを建て続けて、結局そのまま大工をするようにになってしまい、結婚を機に鳥取の智頭町へ移住。
美しい田舎で建てたり狩ったりしながら、ぼちぼち暮らしたいと思っていたが、意外と忙しいのと、自分の家がまだ建てられていないことが目下の悩み。