住宅省エネルギー技術講習会はむしろ施主さんが受ける価値あり

先日、現場でよく一緒に働く大工さんと、住宅省エネルギー施工技術講習会に行ってきました。

省エネ建築診断士と比べれば、内容的はおさらいレベルなのですが、頂いたテキストはイラストも多くよくまとまっているので、お施主さんや別の大工さんに、施工の説明をするときに使ったりできるのは便利かなと思います。ちなみに講習代は半日で1000円でした。

ただ、正直テキスト読み上げだけだと退屈ですね。実際の受講者の事例を元に議論ができたりすると、より深まると思うのですが、国の講習なので講義内容が定められているのかな~と思いながらおとなしく座っておりました。

住宅省エネルギー技術講習会とは

国としても、多少は住宅の省エネ性能はアップさせたいと思っていて、研修で基本的な施工技術を徹底させようという意図があるみたいですね。



国土交通省では、住宅の省エネルギー化を推進するための体制を強化する事業として、木造住宅・木造建築物の性能及び生産性向上等のため「住宅省エネ化推進体制強化事業」を推進しています。


住宅関係団体等で構成する全国木造住宅生産体制強化推進協議会(全国協議会)と各都道府県の木造住宅生産体制強化推進協議会(地域協議会)が連携して、住宅の省エネルギー化に向けて以下の取り組みを行います。

http://www.shoene.org/about/index.html

いわゆる住宅の性能を推し量る数値であるUa値や、一次エネルギー消費量を計算する設計編というのもあります。僕はこれとは別ですが、設計編と同じ内容の研修を3日間受けました。この計算は補助金の申請などで必要になるのですが、実際に性能を検討する上でやまのすみかでは、より実態に即して厳密に計算できる建もの燃費ナビを利用しています。

性能を最後に担保するのは施工

設計図書がきちんと書かれていさえすれば、住宅の性能がきちんとでるわけではないのです。実際にその通りやればいいだけじゃないの?と思われるかも知れませんが、天候や工期のせいでおざなりになってしまったり、理屈が理解できていないので、悪気は全くないのに、実際は正確な施工できていないというケースが、意外とあるのです。

特に、改修の場合は現場判断になったり、工夫しないと納められないケースが多く、施工側に深い理解が求められます。

テキストの内容は、もの凄く基本的なことを書いてあるのですが、実際に完全にこれを理解していて、よどみなくその理由を答えられる施工側の人間は、実際多くないと現場にいる身としては思います。

逆に、現場側としてはおさらい的にでも受けておくと、思い込みで間違った施工をしていることに気づくかも知れません。

むしろこの講義は施主さんが受けていたら強いかも

さすがに対象は建築実務者となっているので、これを施主さんが受講するのはちょっとハードルが高いかも知れませんし(別に新人のふりをすれば普通に受講できると思いますが)、さすがに半日講義を聴くのは退屈だと思います。

しかし、施主さんがこの内容を理解していたら、確実に現場は引き締まります。なお、テキスト自体はこちらで見ることができます。

正直、お客さんになにかを指摘されるのは、現場の人間としては心地良いものではありません。やることなすこと疑われたら萎縮してしまいますし、ギスギスした人間関係になってしまっては、折角の家づくりも台無しです。

けれど、同じ時間をかけて同じ材料を使うのなら、最大限効果を発揮できるようにしたいという気持ちは、施主さんも現場の人間も同じはず。正しい知識でよりより結果につながるなら、立場を超えて共有できるはずです。

施主さんのリテラシーがあがり、より高いレベルの家ができれば、長期的には、お互いにプラス。いい意味での緊張関係を持って、仕事ができたらできたらいいですよね。

この記事を書いた人

田上知明

AFP・2級FP技能士 / 2級建築施工管理技士 / 省エネ建築診断士
東京で3年間の会社員勤務の後、自分の家を自力で建てることを志して、建築業界へ。自分の家を建てるはずが、お客さんの家ばかりを建て続けて、結局そのまま大工をするようにになってしまい、結婚を機に鳥取の智頭町へ移住。
美しい田舎で建てたり狩ったりしながら、ぼちぼち暮らしたいと思っていたが、意外と忙しいのと、自分の家がまだ建てられていないことが目下の悩み。