熱中症の17倍の死者数。寒い季節に今日からできるヒートショック対策

ヒートショックという言葉をご存知ですか?

ヒートショックとは、温度差のある部屋を移動したときに、血圧が急激に上昇して脳梗塞や心筋梗塞など血管が詰まってしまうこと、また血圧が急激に下降することによりめまいや意識を失うこと。あたたかい部屋と冷えた部屋の温度差が6~10℃以上あると起こりやすいと言われています。

この条件に特にあてはまるのが、リビング⇔脱衣室⇔お風呂場を移動するとき。

住宅業界にいるとたびたび耳にする単語なのですが、2011年の推計だと全国で17,000人もの方がこのヒートショックで亡くなっていて、よく年間の交通事故死亡者数の4倍以上と表現されます。東京都健康長寿医療センター研究所から2011年の推計が出ています。

ヒートショックでは熱中症の17倍以上の方が亡くなる

ヒートショックに関連した急死の方の数

  • 約4,500人 家庭のお風呂での溺死
  • 約17,000人 ヒートショックに関連した急死(溺死数からの推計)

出典:東京都健康長寿医療センター研究所

熱中症で亡くなった方の数

熱中症で亡くなった方

  • 948人(2011年、比較のために掲載)
  • 968人(2015年)
  • 621人(2016年)
  • 635人(2017年)

(出典:厚生労働省の人口動態統計

最近、夏には決まって「熱中症注意報」「熱中症警報」を耳にするし、熱中症にならないような呼びかけや、万が一なってしまった場合の応急法を目にすることは多くなりましたよね。その症状と比べて、ヒートショックの数は17倍以上(2011年)。住宅の性能や間取りによっても危険度は異なりますが、夏の熱中症よりも冬のヒートショックによって亡くなられる方がけた違いに多いことがわかります。

ヒートショックにならないために

  • 脱衣室や浴室をあたためておく
  • 暑すぎる湯船は避ける
  • 湯船からゆっくり上がる
  • 食事直後、飲酒直後のお風呂は避ける
  • コップ1杯の水を入浴前後に飲む

このうち最も有効と言えるのが、部屋の温度差を少なくする脱衣室・浴室の暖房です。ヒートショックになるのは8割以上が65歳以上の高齢者の方。ご一緒に暮らしておられる方は十分お気をつけください。

また、tenki.jpさんがヒートショック予報というサービスをスタートしていました。家の性能や間取りによって「なりやすさ」は異なると考えられますが、いま家のなかが寒いと感じられる方は、チェックされてみると良いかもしれません。

まずは脱衣室に暖房を

お風呂での溺死者だけでなく「脳卒中」や「心筋梗塞」といった病死も関連死として取り扱われていることを知りました。そういった重大な身体の症状も、「寒い!」という住環境から引き起こされているんですね。冬に寒く感じる家はヒートショック要注意。多くは高齢者ですが、若年層でも発生例があるので油断できません。

普段は断熱・気密を推奨しておきながら、わが家は古い家を改修して住んでいて浴室の改修はできていません。わが家でも小さなヒーターを脱衣室において、入浴の15分前にはスイッチを入れてなるべく温度差が無いようにしています。いまは寒い家ですが、きちんと暖かい家に住みたいなあという気持ちが冬はより強くなる季節です。

理想をいうと、きちんと断熱をして、お風呂場もリビングも温度を一定に保てる家にするのが理想ですが、まずは今できる方法でリスクを減らしてくださいね。いつか改修をされるときは、お風呂や脱衣室までの動線の断熱をお忘れなく。また、新築をされる場合は断熱・気密性能の相談は必ずされることをおすすめします!

この記事を書いた人

田上真由

三重県津市出身、大学では建築を学ぶ。水や空気といった大切なものは山が生み出していることを知ってから、自らも山間部に住むことを決意。新しい発見のある山暮らしを楽しみながら、木の家づくりを通して山に関わっていきたいと思っている。鳥取県の智頭町へ来て、床張り壁塗りといったDIY、斧で薪割りするのを覚えたところ。