省エネ基準義務化はどっちでも良かったと思う理由

住宅についての日本の省エネ基準義務化が見送られることがほぼ確定したようです。

あまりレベルの高くない断熱基準ですので、それすら規制できないのは国として残念な感じですが、僕としては正直どちらでも良いと考えていました。

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緩い基準が示されることで、逆に省エネが進まなくなるリスクが高い

5地域でUa値0.87というと、実際にはものすごく寒い家です。エアコンで温めなければ、すぐ室温が冷え切ってしまいます。おそらく各部屋にエアコンが必要で、地球温暖化への対策にもなっていません。このような基準が示されて、大々的に国の省エネ新基準達成!と言われ、世の中に出されることのほうが、一周回って害悪かもしれません。

2020.1.21追記

鳥取県の基準策定は、このUa値0.87を大きく上回る形になりました。最低基準が0.48ですが、できればT-G2の0.34まで行くとコストも快適性もエネルギー効率も圧倒的に高くなることになります。この流れが全国へ波及することが期待されます。

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規制しようがしまいが、良くないものは淘汰される

何かを規制するためのコストと議論に費やされる労力は膨大ですが、規制があろうがなかろうが、買い手側が低性能な家、粗悪な家を望まなければそもそも売れないわけです。

住宅の省エネルギー性能をあげることは、経済的な合理性がある、というのがすでに見えています。また、その方が健康且つ快適であることも分かっています。

買い手にとって基本的により省エネにする方が有益であり、環境負荷も低いという事実があるわけですから、顧客側がそれを望めば自然と中途半端ないえづくりは淘汰されると思います。

申請手続きの事務作業が繁雑

国の基準を満たす計算は少々煩雑な割に、換気や漏気の熱損失も反映していないですし、指標として用いるには不完全だと感じられました。

すでにCADをベースにしてより厳密に計算するツールが存在しますし、実際に利用もしています。これらツールはこれからも、より発展していくことでしょう。

わたしたちの目的はより良い家を建てることであって、不必要な計算と繁雑な事務作業のために時間を使うことではないはずです。

僕らのやることは変わらない

コントロールできないものに期待するよりは、できることにフォーカスして頑張るほうが生産的。民間の事業会社に必要なことは日々の切磋琢磨です。

僕は伝統工法も好きですし、パッシブハウスも好きですが、とにかくより良い家を作る、それを伝える努力だけをひたすら続ける、というのが気持ちよい生き方だなあと感じます。

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