新築をするときにかかる地盤調査と地盤改良の費用

新築をするときの見積には「地盤調査費」という項目があると思います。なぜ地盤調査をするか、地盤調査にはどれぐらいの費用がかかるのか。また地盤改良の費用について解説します。

なぜ新築住宅に地盤調査が必要なのか

どれほど耐震性能を高く家を作ったとしても、その下の地盤が軟弱だと地震が来たときに傾いてしまったり、時間の経過と共に地盤沈下が起こることがあります。改良工事が必要かどうか判断するために地盤調査を実施します。義務ではありませんが、建築基準法で基礎構造が定められているため、事実上やらないという選択肢はない、と思ってください。

地盤調査の費用の目安

最も一般的なのはSWS(スウェーデン式サウンディング)試験:6万円前後

費用が安く、地盤の支持力が簡易的に調べられるため、住宅の地盤調査と言った場合は、ほとんどこのSWS試験を指しています。

建築予定部分の地面に対して、機械でロッドという鉄の棒を、垂直に最大100kgの荷重をかけて打ち込み、めり込み具合から地盤の堅さを調べます。 地盤が固く荷重では沈まない場合、ロッドを回転させながら打ち込んでいきます。

通常の四隅と中央部に5カ所打ち込む試験の場合は、半日程度で済みます。貫入深度が10mに達するか、回転をかけながらでも進まない場合(5cm沈めるのに50半回転以上)調査を終了します。

ちなみに、スウェーデン式というのは、その名の通りスウェーデンの国有鉄道が1917年頃採用した試験方法だからです。日本では、1976年に日本工業規格(JIS)に制定され、一戸建ての住宅の調査方法として普及しています。

より正確にはボーリング調査:2~30万円

スウェーデン式よりも高い精度がでる土質の試験も可能ですが、調査費用は高めです。ボーリングマシンを設置するのに、5m四方ぐらいのスペースが必要で、数日間に及ぶこともあります。

あまりに弱い地盤でSWS試験では調査できない場合などに使用されることがありますが、概ねマンションなど大規模な物件で行う調査方法なので、住宅規模であれば、SWS試験が採用されることが多いです。

調査は土地の購入後、交渉によっては事前に出来るケースも

通常土地を購入した後に買い主がすることが多いです。ただ交渉次第では、事前に調査させて貰えるケースもあるかも知れません。当然ながら、調査費用は負担する必要がありますが、事前にリスクが分かるメリットはあります。 地盤調査済みの土地、というのも見かけることがありますので、候補地にあれば検討してみても良いでしょう。

また地盤保証会社と契約している工務店などであれば、近隣の調査結果等から地盤改良リスクを推定する資料を入手することが出来ます。依頼する工務店が決まっていたら、1度聞いてみるのがお勧めです。

地盤改良にかかる費用の目安

地盤調査で基準以上の数字が出なかった場合、地盤改良工事をします。地盤改良が必要になると結構お金がかかってしまいますので、もし強固な地盤のある土地を選べればとトータルの支出を抑えることが出来ます。

もっとも、土地選びは見晴らしや近所の環境、勤務先、学校などへの近さといった生活する上での理由が優先されるはずです。気に入った土地が軟弱地盤でも、きちんと改良すれば安全な家を建てることはもちろん可能です。

住宅では、おもに表層改良、柱状改良、鋼管杭改良の3種類のパターンで行うことが多いです。

表層改良:1万円/㎡~(建坪20坪で70万前後)

地表の地面の必要な強度が出るまですき取り、セメントと混ぜてから戻しローラーで締め固める工法です。2mまでしか改良できませんが、2mするなら柱状改良の方が安価な場合があります。

柱状改良:1.5万円/㎡~ (建坪20坪で100万前後)

専用の重機でミルクセメントを注入しながら、土とセメントを混ぜて地中に柱を形成する工法です。軟弱地盤が8m以下の深さの場合有効です。土質によってはセメントが固まりにくいことがあり、その場合鋼管杭改良をすることになります。

鋼管杭改良:2万円/㎡~ (建坪20坪で150万前後)

地盤の固い支持層に達するまで、金属製の交換を掘り下げて建物を支えます。軟弱地盤の深さが8mを越えるような場合に利用します。

誰に地盤調査は依頼するのか

地盤調査会社に依頼します。工務店に頼んでも、自分で探してきても問題ありません。「地盤調査 ○○(土地名)」で検索すると、近隣で営業している調査会社がわかるでしょう。別に建築業者でなくても普通にお願いできますし、レポートも提出して貰えるはずです。

ただし、工務店や設計事務所によっては、地盤に関連する事故が起きた場合保険金が下りるよう保証会社と契約していることがあるので、まずは工務店などに相談してみることをお勧めします。

まずは自分で地盤の情報収集したいときは

インターネット上には、地盤情報を公開しているサイトがいくつかあります。代表的なものをいくつかあげますので、土地探しから検討されているときには、参考にされてみてはいかがでしょう。

朝日新聞 揺れやすい地盤

住所を入力すると、地形の種類と地盤の揺れやすさが表示されます。さっと調べられるので、確認するのに便利です。

GEODAS

地盤調査会社であるジオテック株式会社が実際の調査情報を公開しているサイトです。地方では件数が少ないこともありますが、近隣の地盤データから検討している土地を見ることが出来ます。

地盤カルテ

メールアドレスを登録すると、レポートが表示されます。詳しい情報は有料サービスになりますが、揺れやすさだけでなく液状化や土砂災害危険リスクもわかりやすい数字で表示されるのは便利でしょう。

新築の地盤調査費用についてのまとめ

  • 新築住宅の地盤調査はSWS試験が主流で、費用は4万円~6万円程度
  • 地盤改良には、70万~150万ぐらいのお金がかかる(建坪20坪の場合)
  • 地盤改良の不要な土地を見付ければ、家への支出が下げられる
  • 検討中の土地があれば、簡易的な情報はネットでも手に入る

この記事を書いた人

田上知明

AFP・2級FP技能士 / 2級建築施工管理技士 / 省エネ建築診断士
東京で3年間の会社員勤務の後、自分の家を自力で建てることを志して、建築業界へ。自分の家を建てるはずが、お客さんの家ばかりを建て続けて、結局そのまま大工をするようにになってしまい、結婚を機に鳥取の智頭町へ移住。
美しい田舎で建てたり狩ったりしながら、ぼちぼち暮らしたいと思っていたが、意外と忙しいのと、自分の家がまだ建てられていないことが目下の悩み。