良い家を建てようと思ったら、建築家に加わって貰うことを考えてみよう

良い家が建てたいというのは共通した願いだと思いますが、どうすれば良い家が建つか、ということについては絶対の答えはありません。ただ、これまで建築業界に身を置いてみて、建築家を巻き込むというのは、良い家を作るための有力な選択肢だと考えるようになりました。僕はあくまで施工を主体とする工務店ですが、新築の際には、最低限でも建築家ないし設計を主たる仕事としている人にプランを相談し、関与して貰うことにしています。

意匠、耐震、温熱を高次元で達成する工務店はかなり珍しい

法規制通りに建てるのは、普通に工務店でも出来ます。しかし、意匠、耐震、温熱すべてを高次元で成立させられる工務店は、決して多くありません。ハウスメーカーやフランチャイズの規格住宅であれば別ですが(その場合、プランの融通は利かないか、価格に反映されています)、自由設計の注文住宅で、全分野でハイレベルな家を内製するだけの力がある工務店は、とても珍しいと感じます。

自分も温熱は強いと思いますが、意匠はやや苦手

かくいう私も(2019年3月現在)、2年前に省エネ建築診断士を取得したこと、地域外の工務店から教えを頂いたことで、温熱は実際の施工、理論共に理解してきたつもりです。一方で、耐震については基本的に耐震等級3にしますので、極めて安全な建物を建てますが、構造力学も含めて完全に理解できていると胸を張るレベルではないと自戒を込めて思っています。意匠になると、施工出身で元々合理的に建てようという志向が強いため、現時点では得意ではないというのが正直なところです。

そのため意匠を外部に頼りつつ、必要に応じて耐震も外部の構造系の設計事務所にお願いしながら、温熱計算と仕様決定は内製化し、性能が最大限引き出せるよう施工で頑張る、というのがわたしたちの立ち位置です。

制約の中で最適解を出せる建築家はいる

耐震や温熱、法規制も踏まえた上で、最良の意匠を提示できるよう研鑽を積んでいる建築家はちゃんといます。僕も昔は建築家の家などお金がかかる割に面倒くさいだけだと思っていましたが、近年完全に考え方が変わりました。

様々な出会いから、適切な予算をかけて知恵を借りるというのは、トータルで見て値打ちがあると考えています。施工側と設計側で合議することで、複数の視点からチェックできることも、より良いアイデアが出ることもあり、プラスに繋がります。

工務店やハウスメーカーの説明やプランに満足できなかったら

建築家に依頼したり、建築家と協業する工務店に当たってみるのは、検討してみるべきだと思います。

とはいえ、どんなところなら、レベルが高いのだろうと思うときは、耐震については「等級3」が取得したい、温熱については「C値0.5、HEAT20 G2レベル以上」で設計して欲しいとお願いして、はぐらかさず前向きな反応が返ってくれば、ひとまず理解があるといえるでしょう。意匠は過去の物件を見ながら好みを作風から選ぶと良いと思います。

この記事を書いた人

田上知明

AFP・2級FP技能士 / 2級建築施工管理技士 / 省エネ建築診断士
東京で3年間の会社員勤務の後、自分の家を自力で建てることを志して、建築業界へ。自分の家を建てるはずが、お客さんの家ばかりを建て続けて、結局そのまま大工をするようにになってしまい、結婚を機に鳥取の智頭町へ移住。
美しい田舎で建てたり狩ったりしながら、ぼちぼち暮らしたいと思っていたが、意外と忙しいのと、自分の家がまだ建てられていないことが目下の悩み。