建てる前に光熱費シミュレーションができる「建もの燃費ナビ」とは

先日、長野県では「建てる前に住んでからかかる光熱費を必ず説明してもらえる」という記事を書きました。

設計者から高断熱住宅とそうでない場合の光熱費を説明してもらえます

建てる前の光熱費シミュレーションでは、家の断熱性能、気密性能、窓/玄関ドアの性能、建てる地域の気候など、家の性能に関わるたくさんの要素を、ソフトが月々に支払う光熱費として計算してくれます。暮らし始める前から光熱費が算出されるなんて、すごく優れものだなあと関心してしまいます。

やまのすみかでは、光熱費のシミュレーションに「建もの燃費ナビ」というソフトを使っています。今日はその仕組みついてすこしご紹介します。

家の光熱費(燃費)とは

車を買うときには、「1Lあたり○km」という燃費が表示されています。これはある一定条件のもとで出された数字ですよね。摩擦の大きい冬用タイヤをはいている期間だと、燃費は落ちます。

家に置きかえて、家の細かな条件を事前にシミュレーションできるのがこういった計算ソフトです。「窓の断熱性をあげると・・・?」「もう一層、断熱層を増やすと・・・?」「気密工事をすると・・・?」など細かな条件を設定できるので、一年を通してその家に必要なエネルギー量が算出され、建てる前に光熱費がわかるしくみとなっています。

給湯はガスか電気か、太陽光発電機を屋根にのせるのかどうか、そういった設備の設定によっても光熱費が変化します。

※やまのすみかで使っている「建もの燃費ナビ」について書いています

光熱費シミュレーションソフト「建もの燃費ナビ」とは

建もの燃費ナビは、土地や間取り、窓の位置、設備などすべてが決まった段階で使っています。

入力すること

  • 外皮(床・壁・天井・窓・ドア)の構成(断熱性能
  • 気密の性能
  • 給湯・換気などの設備の性能(COPという指標を用います)
  • 周りの建てものの高さ(日射遮蔽)
  • 地域の設定(気象データより温度・湿度)

計算結果

  • 年間一次エネルギー消費量(GJ)
  • 建もの燃費(kWh/m2)
  • あなたの家の年間ランニングコスト(円)年間だと何十万円という結果がでます
  • 月々の概算光熱費(円)
「建もの燃費ナビ」から光熱費の概算がでてきます

その他にも、その家の冷房負荷や暖房負荷(kWh/m2)、部位別の熱損失「窓や換気で熱損失していますよ~!」などの結果が図面から計算されます。これで冬に暖めた熱がどこから逃げているかがわかります。

夏には暑い外気がどこから伝わってくるのか、がわかる指標です。

「光熱費がかかりすぎるなあ」というときには、壁や窓の性能を変える選択をすることができます。

もちろん予算と相談しながらの変更ですが、住む年数から逆算して「お得になるかどうか」をお客さんと判断します。

その家に暮らすかぎり、光熱費は老後もずっと必要なお金なのでできるだけ事前にきちんと考えることが大切だと思っています。

シミュレーションの前提条件とは

建もの燃費ナビのシミュレーションでは、全室(全館)を夏27℃冬20℃を維持し、湿度を絶対湿度13g/Kg以下にコントロールするという条件のもとで計算されています。これは人間が快適と感じる温度湿度を指しています。

「建もの燃費ナビ」の計算条件と計算結果に基づき、全館に対して必要な空調(室温及び湿度制御<絶対湿度13g/Kg以下>)が24h365日、行われる想定での光熱費です。生活の仕方により、実際の光熱費と大きく異なります。

建もの燃費ナビの結果より

これは建もの燃費ナビの結果に書いてある文言なのですが、シミュレーションででてくる光熱費はこの条件をみたす場合なので、暮らし方によってシミュレーションとは異なってきます。

実際に暮らしてみたときの冷暖房費は、暑がりの方、寒がりの方でも違いますし、家にいる人数にも関係します。大人数でパーティをした日は人の熱気で冷房費は上がります。反対に冬に人が多いと、暖房費が予想よりも少なくてすみます。(大人は一人あたり100Wの熱量を出しています)

実際の光熱費はそれの積み重ねなので、シミュレーションの通りということにはなりません。ただ、建もの燃費ナビの光熱費シミュレーションは「全室を人間の快適温度湿度にしたら?」が前提だと知っておいていただけると嬉しいです。

↑この記事では、「建もの燃費ナビ」を用いて断熱性能の高い家、低い家を比較しています

この記事を書いた人

田上真由

三重県津市出身、大学では建築を学ぶ。水や空気といった大切なものは山が生み出していることを知ってから、自らも山間部に住むことを決意。新しい発見のある山暮らしを楽しみながら、木の家づくりを通して山に関わっていきたいと思っている。鳥取県の智頭町へ来て、床張り壁塗りといったDIY、斧で薪割りするのを覚えたところ。