気に入って移住してきた鳥取県智頭町のいいところ

もともと三重県津市出身のわたしは高校卒業後から県外に出て、いまは鳥取県の八頭郡智頭町(やずぐんちづちょう)という、中国山地のどまんなかで暮らしています。今日は、気に入って住んでいる智頭町の個人的に気に入っている部分について書いてみました。

智頭町(ちづちょう)について

智頭町の景色
富沢地区から見る、篭山の風景(秋)

智頭町は、中国山地の日本海側、岡山県と兵庫県に隣接する人口7,000人ちょっと、高齢化率約40%(2018年9月現在)の町です。夏は太平洋側の三重県とは比べものにならないくらい涼しく、夜にエアコンがなくても寝られることにびっくり!そして冬には雪が降る地域です。景色がとても美しい反面、家の前の道路の雪かきがあるのはご愛嬌。隣前のおばあちゃんとせっせと水路に落としていくのも、冬の仕事のひとつ。

記録的な大雪となった2017年2月、富沢地区波多の風景

鳥取県内では、県庁所在地の鳥取市を含む東部地域に分類されますが、『智頭町』というと鳥取市市街地から車で1時間弱ほどかかるので、「あっ、智頭町なんですね、結構遠いですよね、山ですよね」という反応をよくいただきます。それでも、生活をするのに困ることはなく、町内で食材や日用品、ガソリン、病院、銀行、本屋と必需品はほぼ揃えることができます。ただ、今のところ温泉と美容院は町外まで車で行っています。

観光名所としては、近代和風建築の集大成とも言える『石谷家住宅』が見事です。また山菜料理が食べられる『みたき園』や、野生の菌を醸してつくられるパンと地ビールのお店『タルマーリー』、丸太を運び出すための鉄道跡地を利用した『森林セラピーロード』で森林浴ができます。また春には山菜採りや田植え、夏にはウエットスーツを着て川上りをするシャワークライミング、秋にはきのこ狩り、冬にはスノーシュー体験など、住んでいると毎週末イベントがたくさんあります。宿泊には、町内に『林新館』や『塩田屋』といった旅館があるほか、一般の民家が宿泊と郷土料理でもてなしてくれる民泊が町内全域に40軒ほど点在しています。

教育関係でいうと、公教育のちづ保育園と智頭小学校の他に、園舎はなく智頭の森で遊ぶ『智頭町森のようちえん』『新田サドベリースクール』といったオルタナティブスクールもあります。

わたしが気に入っているところ

山の風景が美しい

智頭町には、江戸時代からほとんど範囲が変わっていないと評価される美しい山々(人工林)の風景が広がっており、そのほとんどが智頭杉と呼ばれる良材の杉が占めています。常緑樹の杉山では1年を通して緑の風景が広がります。人工林といっても、秋の紅葉シーズンには山の尾根や山地の境界で広葉樹が赤や黄色やオレンジ色で彩られ、一年中みどりばかりという訳ではありません。春先になると山桜が山の中にぽつぽつと道沿いから見えるので、見つけるとそれだけでラッキーな気分。

智頭町の山々、濃いみどりは杉やひのき、明るいみどりは広葉樹(夏)

星がとても綺麗

晴れていて空気が透きとおっている夜には、びっくりするほどの星ぼしが広がります。空が明るくないことや空気がきれいなことが理由だと思いますが、住んでいる集落から少し歩くと、それをひとり占めして見ることができます。なんてすてきな夜なんだろう!と思える特別な空が日々そこにあって、仕事から帰って暗い日には、ふぅ~と深呼吸して空を見上げます。

インフラに対して不安が少ない

わが家のインフラは現在、プロパンガス+簡易水道+電気です。これは平常時ではなく地震や災害が起こったときの話にはなりますが、電気以外はすぐには生活に支障が出ません。プロパンガスは単価は少し高いですが、予備のボンベが無くなるまでは火や湯が使えます。水道は集落で管理している簡易水道で、使えなくなっても直せる体制があったり、山水から水は確保は出来そう。食材も米はあるし保存食でしばらくは生活できるだろうと考えています。そんなところは隠れた安心感ですが、何事にも代えがたいものだと考えています。

文化的なイベントも結構ある

人口7,000人といっても様々な取り組みやイベントがあるのも楽しいところ。地区のお祭りや行事の他に、林業技術の習得のための研修や、ヨガや食に関する講演会、映画上映会や音楽ライブも目にします。山に関係する講座なども多くあり、山生まれでないわたしは毎回新しい発見がある場となっていて欠かせません。住む集落だけでなくて、いろんなところにネットワークを広げられるのはまちに住むのと変わらない楽しさがあると思っています。

木の宿場(やど)、林地に残る丸太を集めて山をきれいにする活動

余所からきた移住者ですが、気に入ったこの地に受け入れてもらって暮らしています。おいしい水やきれいな空気、その他にもたくさんの恩恵を与えてくれる山の近くでの暮らし、わたしはけっこう楽しくやっています。家づくりの際には智頭町産の杉の構造材や内装材を提案することが多いので、これから仕事を通じて山をより良くすることに繋がったらいいなと考えています。

この記事を書いた人

田上真由

三重県津市出身、大学では建築を学ぶ。水や空気といった大切なものは山が生み出していることを知ってから、自らも山間部に住むことを決意。新しい発見のある山暮らしを楽しみながら、木の家づくりを通して山に関わっていきたいと思っている。鳥取県の智頭町へ来て、床張り壁塗りといったDIY、斧で薪割りするのを覚えたところ。