空き家活用、再生が難しい理由

 
 
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つまるところ、建物が特に基礎が不十分、予算が足りない、補助金が効果的でない、というところにつきます。ある程度の除却再生と両輪というのが正しいかと思っています。
補助金を出してみたり、空き家バンクなどで移住者へ向かってアピールしてみたり、空き家利活用の話はここ数年ずっとブームだと思うんです。でも、実際に僕が見ていてうまくいっていなくて、特に田舎だとそれは顕著に感じます。
僕が知っているのは都市部ではなく鳥取県の例ですが、たぶん理由は大きく分けて3つ。

借り手の予算がない

空き家が増加している一方、良い空き家を探している人はいます。しかし、現実的な予算の範囲内で好条件の住居を見つけるのは難しい事が多く、そもそも賃貸で検討しているのに、修理で初期費用が要るとなると敬遠されてしまいます。初期費用がいるがゆえに、放置されている家は更に痛みが進み、問題がさらに悪化する悪循環。
家主も直して貸して投資回収できると思っていないんで、放置しますよね。

補助金が効果的ではない

自治体の補助金は、割とどこでもあって結構取りやすいとは思うんです。しかし実際には補助金の額や範囲が限られており、空き家の所有者や再利用を検討する人々にとって十分なサポートとは言えません。工務店の身ですが、補助が100万円、200万ではちょっとやることが限られるな、、、というケースがほとんどです。正直水回りをちょっと直して終わってしまうぐらいの金額ですね。
かと言って個人に500万出せるか、というとそうでもない。

家が古すぎて直しにくい

予算にも通じますが、往々にして地方の空き家は古すぎる家が多いです。また形がとても改修がしにくい。特に断熱改修をしようとすると、まず間違いなく下屋(2階より1階が突き出た部分)があるので、外からも中からも断熱領域でくるむ、ということが難しいです。
鳥取県の改修断熱基準 Re ne-stの策定で北海道の実務者の方々に聞くところによると、北海道は雪があるためそもそも下屋がある家が少なく、家の形が総二階が主流と伺い、羨ましいと思いました。
また、ある程度築年が進んでいると、基礎が鉄筋が入っていなかったりするので、補強が大掛かりになったりします。ある程度割り切って、上部構造の補強をする、というのが落とし所になったりしますが、それでもコストはかかりがちです。

築20年ぐらいの中古と買取再販が良さそう

たぶん安く快適に住みたいというニーズはあって、僕も積極的に取り組みたいとは思っています。個人的には築20年ぐらいの中古が狙い目と考えます。その頃であれば、ベタ基礎で地盤調査もしている可能性があり、構造への痛みも限定的だと思えるからです。それか、築年があってもシンプルな切妻で平屋、とかだと(あまり見つかりませんが)、直しやすいと思います。
もう一つは、工務店がリスクを取って買取再販というのを今後検討したいと思います。工務店としては、お客様との接客に多くのコストがかかるため、その経費がかからないのなら、コストは抑えられると思います。
これに加えて本当は行政の権限で新築着工自体を抑制して、土地や既存の建物の価値を維持する取り組みも重要だと思うのですが、これについて書き出すと長くなってしまうので、また別の機会に。