0.5cm2/m2以下であれば十分。数字に気にせず人生を謳歌したほうがいいと思っています。ただ、弊社気密施工は得意なのでもうちょっと頑張ります。
そもそもC値とは、家の内外に圧力差をかけて、どれぐらい空気が通過したかで推測できる隙間の面積を、家全体の床面積(厳密には仮想床面積という数字を使います)で割ったものです。 国の基準はありませんが、鳥取県の健康省エネ住宅ne-stは1.0cm2/m2が認定の対象になっていますし、換気計画を機能させるようにしたり、冷暖房の効きが良くなるというメリットがあります。気密が悪いと、天井の隙間から暖気が逃げて、足元の隙間から冷気が入ってきてしまいますよね(ちょっと古い家だとよくある光景です)。
もちろん数字は良ければよいほど良いのです。良いのですが、過剰なコストをかけてまですべきかというとそうでもない。すべての物事は、限界効用逓減の法則で動いており、当然「いい塩梅」が存在します。
その中で最も信頼性が置ける基準、というのはHEAT20(一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会)が、HEAT20設計ハンドブック2021で解説している「C値は0.7㎠/㎡±0.2㎠/㎡を目指すべき」という提言でしょう。ほとんどの人が不快に感じないとされる0.2m/s以下の風速しか漏気で生じないのは、0.9cm2/m2程度なので、劣化を考慮して0.7cm2/m2 ±0.2というのが理屈です。 これ以上過剰なコストをかけてまで、気密を追いかける必要はないともいわれています。
1.0cm2/m2を超えてたらちょっと頑張って埋めてみようかな?って感じですし、逆に0.5cm2/m2であれば、まあ数値競争に踊らされず満足していい水準なのではないでしょうか。多分体感で0.1と0.5の差わかんないです。
といいつつ、弊社はパッシブハウス認定を取ったり(およそ0.2cm2/m2以下が必要値)、僕自身も気密施工をしたり、また大工が凝り性なのもあって、基本的には0.1cm2/m2は出しに行きます。なにより、身内へのメッセージの出し方として、「最高値を取りに行きましょう」のほうが「まあまあ適当でいいですよ」より、弊社のカラーに似合います。
そのためにたくさんの追加コストがかかっているかと言われると、かかっているとも、かかっていないとも言えませんが、気密関係なかったとしても同じ納まりにしているはずなので、ちょっと丁寧にする、という感じのコストと思っていただければと思います。
いずれにしても、数字はただの数字。ちゃんと中間測定をして補修できるところは補修して、悪くない数字なら一喜一憂せずに満足して、新居での暮らしを楽しまれて欲しいと思っています!