完成見学会をやらずにこれまで過ごしてきました。
厳密には自宅ができたときに、プレスリリースというものを打ってみたくて告知をかけたことが一回だけあるのですが、すぐに満席と偽りクローズしてしまいました。
これは集客をしなくても仕事がある、ドヤァ!なんて格好いい話ではありません。
創業当初、単純に弊社の能力が低く、見学会をするよりも眼の前の仕事を回すのが必死だったからです。
また、知り合いの大工から「見学会やって人が来すぎて回らなくなって大変な新興工務店がある、田上くんも慎重にしたほうがいいで」という話を聞いていて、なんとなくそれが頭に残ったので、いただいた助言は守ってみようか、という感じでここまで来ています。
ほかにも施主さんが楽しみにされているので、早く引き渡したいとか、お客さんのものにもうすぐなる予定の現場をオープンにしちゃうのはどうなんだ、とかもあったりします。
しかし、なんとなく気が進まない最大の理由は、見学会の雰囲気と座組が苦手、という事が大きいかもしれません。
我々工務店は売るために見学会をするわけです。お客さんは見てみたいだけなのに、買わされると身構えてきます。
僕は声をかけねばならず、お客さんは別にかけられたくない。なんとなくぎこちない会話になることが想像つきます。
元々の性格ではあまり初対面の人と話すのが得意ではない自分としては、考えるだけで憂鬱です。
そんなことより、現場の事を考えていたいし、知識や技術の向上に励みたい。その結果、弊社を関心を持ってくれた人を個別にご案内するほうが気が楽なのです。
こう書きながらも、今後は経営判断として見学会をやる、ということもあるかもしれません。その時は、ちょっと憂鬱なんだろうなと、生暖かく守っていただければ幸いです。