換気については賛否両論ありますが、弊社は好んで国産の一種換気システムを使っています。
そもそも換気が必要な理由
人が室内で生活すると、
- 酸素濃度の低下: 人が呼吸することで、室内の酸素濃度は低下し、二酸化炭素濃度は上昇します。酸素濃度の低下は、頭痛や倦怠感、集中力の低下などを引き起こします。
- 汚染物質の蓄積: 人の呼吸や調理、喫煙などによって、室内の空気は汚染されます。また、建材や家具から放出される化学物質も、室内の空気を汚染します。これらの汚染物質が蓄積すると、健康被害のリスクが高まります。
がおこります。
これを回避するために、24時間換気するためのシステムの設置が法律で義務付けられています。24時間換気システムには、主に第一種換気、第二種換気、第三種換気の3種類があります。
第一種換気
給気と排気の両方を機械で行う方式です。掃除箇所が一箇所で済み、室内の湿度を維持しやすく、フィルターや電子集塵機を接続できることから、室内の空気を清浄にしやすいというメリットがあります。一方換気装置が三種換気に比べると高い、ダクトのメンテナンスが大変といわれています。
第二種換気
給気を機械で行い、排気は自然排気で行う方式です。出術室などのクリーンルームで使われるそうです。まず住宅で使うことはありません。(少なくとも、僕は二種換気を使われている工務店を知りません)。
第三種換気
給気を自然給気で行い、排気は機械で行う方式です。住宅では主流の換気方法で、イニシャルランニングともにコストが安いというメリットがあります。しかし、暖房負荷が上昇する、冬場は乾燥しやすくなるなどのデメリットがあります。
弊社が第一種換気選定する理由
省エネルギーである
第一種熱交換換気システムは、一般的な換気システムと比較して、70%~90%程度の熱を回収できるとされています。これを元に新住協という団体が出しているQPEXで試算したところ、弊社と同じようなスペックの住宅で熱交換なしとありの場合、年間に必要な暖房エネルギーが9.7kwh/m2と20.4kwh/m2と倍程度の差が出ました。これはエアコンに換算すると、15,000円程度の差になります。
体感上特に冬の冷気が目立つ
特に冬に三種換気だとまともに冷気が入ってくるため、冷気感がストレスです。室温だけでなく、壁も床も冷気を感じる面を極力押さえているため、相対的によく目立ってしまうのが原因です。三種換気でも吸気口近くに熱源を設けるなどの工夫はできますが、一種にしてしまえば、そもそも外の空気が熱交換で温められて入ってくるので、そのようなことはありません。
掃除が楽
さらに、第一種熱交換換気システムは、外気を取り込む経路が一箇所で済むため、掃除するところが一箇所で済みます。各部屋に給気があればこうは行きません。また、この経路に外気清浄機やフィルターボックスなどを追加する事により、外気のホコリや花粉などの侵入を抑制できます。
加湿量を押さえられる
三種換気であれば冬場、確実に加湿器が必要ですが、全熱交換の一種換気であれば、加湿量を大幅に抑えられます。ちなみに僕の自宅は、生活から出る湿度のみで加湿器を使わず、生活できています。事務所は入浴も調理もしないため、加湿機をつかっていますが、水の追加も掃除もちょっと面倒だなと感じています。
まとめ
導入コストは、一般的な第三種換気システムに比べて高いですが(排気ファンがついていればいいので)、ランニングコストの削減効果や、快適な室内環境、掃除の手間を考慮すれば、十分にその価値があると言えます。
また国産のローヤル電機の換気装置本体は、将来交換することになっても、正直そこまで高くありません(本体だけなら、弊社のお客様であれば、15万+税で交換いたします※2025年1月現在)。さらにモーターごとにバラバラに交換することも可能なので、実際にはもう少し安くなると思います。
ダクトについても、極力短くかつ、後々すべて交換できるように、点検口を設けて作っています。せっかく断熱して快適な家を作ったのであれば、もう一押し、第一種換気を強くおすすめする次第です。