よく、あなたにピッタリの工務店、ハウスメーカー、営業担当を無料でご紹介します、というブローカーのサービスがありますよね。数多くのハウスメーカーや工務店がある中で、選ぶことが大変なお施主さんにとっては大変有効なサービスで有るように思えます。
第三者がいる、というのは心強いと思いますので、全面的に否定するわけではありませんし、人によってはノウハウや知見を提供してくれる人もいるでしょう。ただし、原理的に中立的なアドバイスというものは成立せず、依頼してもある程度割り切って活用するのが良いのではと考えています。
資金の源はブローカーと契約している工務店かハウスメーカー
当たり前なんですが、誰かが誰かのために動くとき、お金が発生するはずです。それが無料になるのは当然、紹介料が入るからなんですが、この紹介料を払うのは、契約をしていて紹介を受けた工務店・ハウスメーカーです。当然ながら、元々契約していない工務店・ハウスメーカーには、紹介自体が来ることがありません。
多くは契約に至ったら請負契約の◯%とか、その後お施主さんを相手をするための費用として、外注の担当営業として固定額を支払っていたりします。
このとき、このブローカー業を営む人が、お客様に中立の立場としてピッタリあった工務店、ハウスメーカーを紹介できることがあるでしょうか?
ビジネスモデルとして、紹介を快く受け入れてくれ、受注を決めてくれる工務店に話を持っていくはずです。つまり、いくつかの工務店はそもそも紹介されることがなく、ブローカーが契約している中から紹介しやすいところに誘導しつつ、それなりに中立っぽく演出してくれ、誰かがいてくれる安堵感を買うことができるサービスと読み替えたほうがいいと思います。
紹介される工務店やハウスメーカーに、そこまでバリエーションがない
さらに、工務店・ハウスメーカーごとにそこまで特徴の差というものがあるか、という話があります。確かに、こだわる点や得意なことはそれぞれ違います。しかしながら、大きな括りで言えば、特にブローカーにキックバックを支払うという選択をしている時点で、
- 規模がある程度あり、数をこなす体制にある会社
- 集客や営業がネックとなっている会社
のどちらかである可能性が非常に高く、自ずとそのビジネスモデルに沿った商品が提供されることになると思います。業績が好調でブローカーを必要としていない会社は、わざわざキックバックを払ってまでお客さんを呼ぼうとは思わないはずですので(その分、建物に使うほうが満足度を挙げられるわけですから)。逆に、ブローカーと相性がよく、ある程度大きな工務店やハウスメーカーでそもそも建てるつもりだった、というのであればwin-winの関係になれる可能性は否定しませんが、正直紹介される工務店の中にバリエーションがあるかというと、僕はそこまで無いと思います。
本当に中立を求めるならお金を払うほうがいい
つまり、本当に中立を求めるのであれば、受益者たるお施主さん自身から課金するしか無いですし、もし志として中立的なサービスをと思うのであれば、ブローカーもお施主さん課金をするはずです。
それがサービスとしてほとんど存在しないのは、結局のところ、儲からないからです。お施主さんに5万円10万円払ってもらうより、工務店に3000万の3%をもらうほうがよっぽどやりやすく、利益がある。しかも工務店やハウスメーカーは、ブローカーにとって次も仕事をくれるお客さんであり、都度新しいお施主さんを獲得するより、ビジネスとしてやりやすい。
上記を折込んで、紹介サービスとはお付き合いいただきたいなと思います。
それでも選ぶことが難しいのは変わらない、結局どうするの?
身も蓋もないのですが、自分のお金、自分の身ですので自分で守る他なく、やはりある程度選ぶ知識をつける以外の対策はないのだ、と思います。
その上で、最低限大失敗をしない、という点であれば、是非弊社に、、、といいたいところですが、予算・タイミング・場所、なにより相性、様々な要因があるなか、弊社が最高の選択肢と自薦できるほど強気にはなれません。
なので基準として失敗しない、それなりに公的な証明も取れて、ある程度真摯な態度がある目安、としては
- 標準で長期優良住宅を取っている
- 鳥取であればne-st(または気密測定)が標準である
この2点をクリアしていれば、どの地域でも複数社選べて、あとは相性と好みと予算次第で選んでも、大失敗まではいかないのではないと思います。正直、5年前と比べれば家自体のコストも上がってしまいましたが、全体の住宅レベル(特に性能と耐久性の分野)は格段に上昇しました。
正直わかりにくいのは、弊社も含めた業界にも責任の一端はあると思いますが、耳障りのよい言葉には裏もあります。最低限、業者に丸め込まれない知識を身に着けて、後悔のないに家造りになることをお祈りしています。